煙突について

① 煙突の原理

煙突は『煙突効果』という自然現象を利用しその現象を最大限発揮する為の設備です。
『煙突効果』とは、煙突下部と煙突上部の温度差がある時に浮力が発生し、上部から排煙、下部から給気という流れを発生させる現象の事を言います。

煙突

② 煙突の種類

煙突の種類は下記3種類です。

  • (1) シングル煙突・・・一番安価です。一枚の鉄板を、丸めて溶接等しておりますので放熱します。
  • (2) 中空二重煙突・・・インナー管、アウター管の間に空気層があり外部に出る熱量はシングル煙突よりも少ないが、煙から放熱される熱量はシングル煙突よりは少ないもののやや多い。
  • (3) 断熱二重煙突・・・インナー管、アウター管の間に断熱材が入っていて放熱が少なく一番高価です。

更に断熱二重煙突にグレードがあります。安全基準のクラス分けみたいなものです。
『①』の煙突の原理を最大限発揮するのは⑶断熱二重煙突です。断熱材が巻かれている事により煙突内の温度が下がりにくく『①』で説明した浮力(ドラフト)が落ちにくくなり煙の排気をスムーズに行います。故に給気もスムーズになり薪ストーブは良く燃えます

煙突
煙突

結論、悪い循環になってしまうとどうなるのか?

  • 煙が沢山出ます。住宅地にお住まいの方は近隣とトラブルになってしまうリスクが高まります。
  • 煙が沢山出る為、煙突内部や煙突出口にタールが付着します。放置すると煙道内での火災を起こすリスクが高まります。
  • 煙突内部が冷えているので、燃え辛い為にストーブが暖まる迄の時間が多くかかります。
  • 燃えないと言うことは暖かく無い為、薪を沢山入れて焚くために消費が増えます。
  • 水分が多い為、タールで毎回ガラスが汚れます。
  • 排気出来ない為に室内負圧が高まると、ストーブや煙突の弱い所から室内へ煙が戻ってくるリスクが高まります。

また、ドラフトが強くなり過ぎる事も良い事ではありません。ドラフトが強過ぎると言う事は炉内が過剰燃焼してしまう可能性があり歪みや亀裂などの破損を招きます。何事もバランスが大事であり、ドラフトが強くなり過ぎない様に当社では煙突に細工をしてドラフト力を軽減し、パスカル数を抑制する場合もあります。


– 煙の逆流について –

煙突の逆流

薪ストーブを使っているお家は室内がすすけて居たり、衣類が臭かったりというのは昔の話。現在の薪ストーブや煙突は進化しており、基本的に室内に煙が戻ってくることはありません。しかし、使い方ミスや設計のミスによって煙の逆流は起こります。
その原因として考えられるのは

  • ① 換気バランスが悪い
  • ② 煙突設計のミス
  • ③ ストーブの選択ミス
  • ④ 煙突内やトップが煤やタールで詰まっている
  • ⑤ ダンパーの操作ミス
  • ⑥ 煙突トップが風圧帯中にある為、室内に空気が押されてくる

上記のどれかです。
最近多いのは新築の住宅に薪ストーブを入れる際、換気バランスを設計せずに薪ストーブを導入するパターンです。外気導入は補助であり、更には補助にすらならない決定的な条件もあります。『外気導入=安心』は間違いです。

当社D’STYLEでは換気計算を行い、高気密住宅でも綺麗に燃える薪ストーブを御提案致します。